フォーミュラで成功するためには・・・6

さて、ここで実際にレース内容と結果がどのように変化するのか見ていきたい。
2016年の鈴鹿シリーズX30クラスからの2年間のリザルトを参考にしていただきたい。
エントラントにNRUと記載されている選手に注目してリザルトをチェックしていただければ 選手の成長の過程が把握できる。
2016年第3戦から福原選手が移籍し、第1戦からNRUに移籍してきた岩佐歩夢選手と タイトラ13番手、14番手である。
続いて第4戦X30クラスセニアで、福原選手タイトラ11番手、 同じくX30ジュニアクラス、ジュニアクラス岩佐選手ポールポジションである。 これは、ヤマハSSで前年にチャンピオンを獲得した選手である岩佐選手でもこの結果である。 これはヤマハSSでのチャンピオンを獲得してドライバーとしての成長があった結果であり 私は成長段階では、レースの決勝結果をあまり重視していない。 初期段階での一発の速さを成長させるための指導をしてきた結果であると思っている。
各々決勝結果は福原選手が5位、岩佐選手が4位であったが、この段階ではすべてを期待するのは 無理であり、とりあえずは一発の速さを期待し指導したわけである。 この時点では二人とも当然のように私がOHしたエンジンを使っての結果である。
さて続く2017年のX30クラスの成績を見てみよう。 翌年の2017年は両選手ともタイトラから安定して上位に位置して、レース全体で上位争いを 展開できるようになる。
タイヤの使い方を含めて、シャシーセットを勧めた結果であろうが、シャシーセットを極めた 状態ではなくともレースでは一旦各ヒートはスタートすると、2周もするとシャシーセットが けしてベストでないことにドライバーが気が付くことが多い。 しかし、ピットインしてセットを変えれるわけでもなくその状態でヒート終了まで走るしかなく、 そこが「タイヤの使い方」と「どのように操作すれば現状で速く走れるか」の重要な2点を 経験することができる。 又、一番重要なのは上位のポジションで「レースの駆け引きを経験」することである。
この「駆け引き」を経験するには、できるだけイコールコンディションのカテゴリーで そこそこの速さのあるカテゴリーが良いと私は考えている。
四輪にステップアップすることを考えると、KT100では少し速さが不足であり、 やはりワンメイクカテゴリーの一番速いクラスとしてX30は丁度良いカテゴリー であると考えている。 以上の常に上位のポジションでレースを経験し、上位ポイント獲得位置に定着し 岩佐選手は鈴鹿シリーズX30クラスのシリーズチャンピオンを獲得することができた。
4輪にステップアップするには、ダントツでチャンピオンを取るよりも、駆け引きを 経験しながら上位で争うことこそ必要ではないかと私は感じている。 その点では下位のポジションでは経験できないことを上位で経験してもらいたい。