スケールスピードが非常に速いレーシングマシンであることに注意・・・1

ドライバーがというか人間が乗って操作するレーシングマシンの中で、
カートほどホイールベースが短い乗り物は無いのではないか・・・
公認書を見ると、ホイールベースは105センチメートル前後である。
こんな前後の車軸間の短い乗り物が、あんなに最高速が速くコーナリングスピードも速い・・・
この小さいレーシングマシンが持っている「スケールスピード」が、この乗り物の難しさ をますます助長している。
その内容は、レーシングマシンがサーキット一周を走って速く走る為には、 コーナー立ち上がりで、
いかにカウンターステアーを少なくするかという命題がある。
一方、ホイールベースの短い乗り物ほど、ステアリングの切り角に対して シャシーは敏感に反応する。 前回のコラム1、2で述べたように、シャシーセットを進める際にシャシー全体の ヨーモーメントを小さくすれば車の進行方向に対する車の反応は早くなる。
要するに、コーナー立ち上がりで早く車の向きが変わるので、
クリッピングポイントを 過ぎた後に車がアウト側にはらんで出口でコースアウト側に出そうになることを 防いでくれる。
又、それがコースの走行自由度を大きくしてくれる。 しかし、
これがもしカートでドライバーの一番重いパーツである「足」がよりフロント アクスルより前に出ていたら、フロントとリアの荷重配分を考えるとフロントが大きくなる。
これがカートの「オーバーステア」の原因になっている原因であり、私の経験に於いても それは間違いない事実である。
しかし、その部分は「カートの魅力」としては一番面白いところであり、レンタルカート等 経験初期の「カートの面白さ」である。
しかし、レースでトップを走るということは、「面白い」と「速い」はまったく違うことである ことを理解していただきたい。
カートのように敏感に反応する車は、逆に「車をアンダーにする」ことの方が難しい。
しかも「速さを残してアンダーセットにする」ことは非常に難しい命題である。

・・・・・2に続く・・・・・